スギは邪魔者?
さて、先日の記事でも話題にした「花粉症」
その原因として一番ポピュラーと言えるのがスギやヒノキ花粉です。
花粉症の方からは目の敵にされがちなこの針葉樹たち。
ではなぜ現代日本に杉や檜が多く生えているのでしょう?
終戦後の焼け野原になってしまった日本。
それを私たちのひいおじいさん、ひいひいおじいさんくらいの世代の方が、
日本の復興にはたくさんの建築資材が必要になると考え、
当時のメジャーな建材である杉や檜をたくさん植えようとしてくれたことが一因と言われています。
もちろん、当時の政府の方針もあったでしょうが、とにかく今見えている人工林のほとんどが戦後、子や孫が家を建てたりするときに役立てて欲しいと、ご先祖さまたちが植えてくれた思いの結晶と言えるかもしれません。
そうしてせっかく植えてくれた財産ですが、生活や社会基盤も変化した現在の私たちは、なかなか上手く取り扱えていないのが現状です。
今も多くの人や団体が、人工林を手入れしたり伐り出して、適切に使うことを模索しています。
そして私は、なんとか今ある林自体を楽しむこともできるのではないかと思うのです。
実は「フィトンチッド」という、人間にも免疫力をあげるなど好影響のある物質は、広葉樹林より針葉樹林に多いと言われています。
また私は明るい広葉樹の森だけでなく、手入れされず魚の骨のように枝が生える針葉樹林の暗さにも、心の落ち着きを感じることがあるのです。
きっと、その時その人の気分に合った森があると思います。
明るい広葉樹の森だけでなく、暗くてちょっと湿った針葉樹の森にしかできない癒しもあるのだと思います。