微生物の意思
最近YouTubeで、淡水プランクトンを顕微鏡で観察する動画にはまっています。
私は見ているとすごく不思議な気持ちになって。
それは個を超えた意思があるような感覚になることがあるのです。
例えばプランクトン同士の捕食シーン。
食べられる側のプランクトンがたくさん、そして結構な速さで動いています。
周りも同じようなスピードで動き回る中で、よけ切るものもいれば、食べられるものいる。
そして食べられるプランクトンは、まるで最初から決まっているかのようにものすごい勢いで、食べる側のプランクトンの口の中に飛び込んでいくよう見えるのです。
また、ゾウリムシの細胞分裂はよく失敗します。
体が二つに分かれ切る前に分裂が止まってしまい、そのまま思うように身動きがとれず命を終えることも多いみたいです。
しかし時折、分裂が止まってしまった個体の近くにいた他のゾウリムシが、まるで分裂を助けるような動きを見せることがあります。
そういった動画は何本かみかけたので、そう珍しいことでもなさそうです。
「仲間を助けたい」という意思ではないかもしれません。
本能と言えるかもしれません。
しかし「単細胞生物」という、脳も神経もない、DNAが含まれたたった一つの細胞核を抱えた生物が持てる本能とは、いったい何だと言うのでしょう。
十数時間、あるいはもっと短いスパンで、置かれた環境のなか誕生と死を繰り返す微生物たち。
見ていると不思議と、私たち人間とそう変わらない気がしてくるのです。
その理由はまだうまく言葉にできませんが、個の意識と個を超えた群れの意識の関係性はきっと美しいという、その予感に答えが隠されている気がします。